« 【026】JBS社,国内鶏肉生産に本格参入 | トップページ

2013.06.11

【027】中国政府ブラジルの遺伝子組換え大豆3種を新たに承認

世界の目がパームスプリングンズでの米国オバマ大統領と中国の習近平国家主席の会談に集まっていた時、北京では中南米24カ国の農相を集めた会談が開催されていた。

中国-ラテンアメリカ・カリブ農相フォーラムに出席するため北京を訪問していたブラジルのアントニオ・アンドラージ( Antônio Andrade)農相は10日、中国政府が新しく遺伝子組換え3種の承認したことを明らかにした。

新しく承認されたのは以下の3種。
1. Intacta RR2 PRO (Monsanto)
2. CV127 (Basf & Embrapa)
3.Liberty Link (Bayer CropScience) 

2.3.は除草剤耐性。1のIntacta RR2 PROはモンサントのベストセラーであるRR(ラウンド・アップ・レディ、除草剤耐性)に害虫抵抗性をも組み込んだ、第2世代と言われる遺伝子組換え大豆であり、主として南米をターゲットに開発された史上初のBt大豆である。

ブラジルではモンサントに特許料を支払わない農家が多く、裁判沙汰になっていた。昨年、ブラジルの地裁が特許は2010年に切れたので農民はモンサントに特許料(22レアル=11米ドル/ha)を支払う必要がないという判決を下した。モンサントはアメリカで特許が切れる2014年まではブラジルでも特許は有効という立場をとっているが高裁も今年の2月に地裁と同じ判断を下したのでモンサントは現在特許料の徴収を一時停止している。

そこで、モンサントは今年になって新しいIntacta RR2 PROを購入した農家はRRのロイヤリティーを免除するという作戦を開始し、新品種への切替を図っていた。ところが、中国は今までこの新品種を承認していなかったのが悩みの種だった。何しろ最大の顧客に売れないと元も子もない。どうしても、今年の大豆の植え付けが始まる10月前に中国の承認を得る必要があった。

日経新聞電子版によると、フォーラムでブラジル農相は「食糧不足時に中国に食糧を提供できる 備蓄倉庫をブラジルに造ることは可能だ」とか「ブラジルは250億レアル(約1兆1400億円)をかけて備蓄倉庫を増設している。この一部を中国が活 用すればいい」などと呼びかけたというから、おそらくこの遺伝子組換え大豆承認に対するリップ・サービスという意味合いもあるのではないかと推測される。

中国はアルゼンチンに対しても新しい遺伝子組換え大豆3種とトウモロコシ1種を承認した。アルゼンチンの代表はフォーラム初日に「我が国は4億人を養う力があるが人口は4千万人。中国を助けることができる」(日経新聞電子版)と語ったそうだ。南米の供給国が中国に土下座しているようにも見えるが、承認しなければ輸入無しでやっていけない中国自体が困るわけでウィン・ウィンということか。

中国のしたたかな、あるいは必死な、食糧確保の戦略が見て取れる。今月末にはブラジルのジルマ大統領が来日する。食料輸入大国日本のスタンスは?

|

« 【026】JBS社,国内鶏肉生産に本格参入 | トップページ

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【027】中国政府ブラジルの遺伝子組換え大豆3種を新たに承認:

« 【026】JBS社,国内鶏肉生産に本格参入 | トップページ